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子育てと家づくり:その4「風のつくり方」2007.07.13 Friday
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※下記は某フリーペーパー2006年7月25日号に掲載した文章をこのサイト用に若干加筆修正したものです
子育てと家づくり:その4「風のつくり方」
はずかしながらわが家にはエアコンがありません(どのみち南国育ちの妻は冷房嫌い)。でも、やはり冷房の風よりも自然の風のほうが気持ちいいものです。それにしても蚊というのはどこからともなく入ってきます。蚊取り線香を焚いているのですが、寝るときに子供が「鼻がむずむずする」という。無添加のものを使用しているつもりでも、やはり煙は煙ですよね。置いておく場所がわるく、ちょうど枕元あたりに煙が滞ったのでしょう。
通気って大切だなと感じます。
お医者さんに聞いた話では、床より80cmより上にはあまりバイ菌がいないそうです。つまり下のほうが多い。塵やシックハウスで問題になる化学物質も下にたまります。
ということは、それらの危険性に一番さらされるのは子供なんですよね。
ですから、低い位置に何かしら空気の道があったほうが良い。扉の下を空かしたり、ガラリなどの通気口をつけたり、細長い掃き出し窓(和室でよく見られるような)をもうけたり。
さて、家全体の通気を良くするためには、対角線に横断する風の通り道ができるように計画します。
また、上下も空気を乗ずに対流させてあげたい。吹き抜けをもうけてもよいでしょうし、光井戸といった小さな中庭があると、煙突効果が期待でき、風が抜けていきます。温度差での対流で風をつくるために、窓を開け放って外に打ち水をすると気持ち良い風を頬に感じることができるでしょう。
冷房もよいのですが、自然な風を楽しむ余裕のある生活をしたいものです。
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子育てと家づくり:その3「自然な明かり」の補足2007.06.29 Friday
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前の記事で、「自然な明かり」について書いたのですが、ついでといいますか補足。
先日、ちょうど夏至をはさんで、「100万人のキャンドルナイト」が行われましたよね。
その日、仕事を終えて、7時頃帰宅したら、家の電気がついていなくて、どうしたんだろうと思ったら、茶の間で連れ合いと息子が二人で蝋燭で本を読んでいました。
僕自身は、なんだか仕事が忙しくてついつい忘れてしまっていたのでけれど・・・。
やはり蝋燭の明かりはほっとしますよね。
最近IHクッキングヒーターが普及してきて、家の中でいよいよ火を見ることができる家庭が減っていると思います。もちろん昔みたいにたき火なんかできないですし。
でも、火って家の中にあるといいと思うんですよね。
暖炉でも薪ストーブでもいいですし。蝋燭でもいいですし、ランタンでもいいです。
火を使って料理をするって、人間にとって根源的な感じがします。
まあ、家の中に火を、なんていうと物騒ですが、火を眺めながら物思う時間があったりするのも良いと思います。
上に紹介している書籍は、バシュラールというフランスの思想家が書いた本。蝋燭の火と詩人の詩的想像力についてのお話。とても好きな本です。お薦め。
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子育てと家づくり:その3「自然な明かり」2007.06.25 Monday
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※下記は某フリーペーパー2006年5月25日号に掲載した文章をこのサイト用に若干加筆修正したものです
子育てと家づくり:その3「自然な明かり」
さて、連載3回目。
「床」「壁」ときましたから、今回は天井、ではなくて照明について書きます。
昼間はともかく、夜、部屋が暗いのは悪いことでしょうか?
私は反対で、明るすぎると落ち着きません。
照明が明るいと家族が明るくなるのでしょうか?
もしそいうなら、ウチの子がグレないようにすることは簡単です。
部屋(例えばリビング)の天井の真ん中にペタっとくっついているライト(シーリングライト)をしばしば見かけます。1室1灯といいましょうか。
確かにこうすると部屋全体を均一に明るく照らすことができます。
でも何だか味気ない。
空間を均一に明るくするのは、もともと向上などで普及したやり方です。
つまり手元を明るくして(昼も夜も)効率よく働けるようにという、言ってみれば管理する側の都合で明るくしているわけです。よく工場化照明といわれもします。
でも家は誰かに管理されるわけでなく、ゆったりとくつろぐ場所。
北欧デザインの白眉であるPHシリーズというランプをデザインしたポール・へニングセンは、「照明は夕暮れの明るさを超えてはいけない」と言ったそうです。
人の営みと自然との関係について、大切なことをしさしているような、素晴らしい言葉だと思います。

ペンダントライト (PH5)
PHシリーズのランプは1925年に生まれのロングセラー。シンプルなデザインの笠の重なりは、実は螺旋をモチーフにしています。
そして、グレアをカットし、柔らかく光を反射拡散させるよう周到にデザインされています。食卓用として人気がある照明です。
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子育てといえづくり:その2「壁と皮膚」2007.06.18 Monday
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※下記は某フリーペーパー2006年5月25日号に掲載した文章をこのサイト用に若干加筆修正したものです
子育てと家づくり:その2「壁と皮膚」
さて、いま茶の間にいます。
うちは、かなり年月の経った木造住宅に住んでいます。築50年以上だそうです。とくに贅沢なつくりというわけではありませんが、なかなか丈夫に建っています。昔の職人さんというのはみな誠実な仕事をしていたのだなと感じ入ります。
そんな思いをめぐらせつつ、周りを見渡すと、襖や障子はもちろんのこと、壁すらもちょっとしたことになっている箇所がちらほら。
彼ら(子ども)にとってはそれは何か描かれるべきキャンパスであり、時にフォンタナのように破るべきキャンパスなのです。
壁や建具なんですけど…。
ところで「家は第3の皮膚」だと言われます。ちなみに2は衣服。
と横を見て(茶の間の壁は塗り壁)、この壁がビニールクロスだったら何だか具合が悪そうです。自分の皮膚がビニール・・・、そう考えると息苦しくなる気が・・・。 それに何だか蒸れそう。とくに湿気が多い時期なら尚更です。
それでは、ビニールクロスではない壁の仕上げ材にはどんなものがあるでしょうか。
まず塗壁系でいうと、もうそれは大昔からある「漆喰」。近年よく使われるようになった「珪藻土」。またホタテの貝殻を主原料としたものや籾殻を主原料としたものなど。自然な素材を使い、かつ調湿・消臭・有害VOCの分解といった性能のあるものがたくさんあります。
壁紙系のものでは、「布クロス(オーガニック・コットン製がお勧め)」「和紙」「ルナファーザー(天然の紙を素材としたドイツ製壁紙)」などが良いですよね。
ほかには、無垢の羽目板という手もありますね。木のぬくもりあふれるインテリアになります。
それから構造用合板の代わりとして使え、そのまま仕上げ材として使える「モイス」という建材なんかもあります。これは合板とちがって接着剤を使用していません。しかも調湿やVOCを吸着分解する性能もあって優秀です。
さて、いずれにせよ身体に負担のなく、環境に負荷の掛からない素材、こういった壁の仕上げ材は、とてもたくさん選択肢があります。
それにしても、障子や襖が…。まあ、壁に落書きしたり障子を棒でツンツンつついて破るくらいのことは、かわいいものです。
ここで大切だと思うのは、これを直すときに一緒に手伝ってもらうこと。
けっこう喜んで、楽しそうに障子を貼ったり、壁を塗ったりしますよ。ヘタでも良いのです。
そうすれば親も、食べ物の原材料表記を見るように、材料の中身をもっと知りたくなるはずですしね。
子どもの健康(もちろん自分の健康も)を気遣うと同時に、本物の質感に触れさせてあげたいものです。
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子育てと家づくり:その1「転ばぬ先の床」の補足-床材の厚み2007.06.15 Friday
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ひとつ前の投稿で
床について書きました。
ところで職人さんの言葉は説得力があります。
「足っていうのは敏感なんだよ。床が少し傾いてればすぐにわかったりね」
たしかにそうなんですね。足の裏というのは敏感かつ重要です。
中医や整体やヨガをやっているかたは思い当たると思います。
フローリングの下には多くの場合、構造用合板が下地として貼られています。
ですから、仕上げの床材の厚みは12mmとかでも十分でしょう。
でも不思議なんですが、人の足の裏は床板の厚みを感知するんですね。
あたり前ですが、同じ材質のフローリングでも12mmと20mmでは踏み心地は違います。
ついでに言うと、膝への負担なんかもかなり差があります。
感覚が鋭い、といいますか、大人のように目や頭に感覚がかたよっていない赤ちゃんや子どもは、全身五感を使って物を感じ取っていると思います。
全身足の裏といったら言いすぎでしょうか? もちろん音や匂いなんかも総合して感じ取っているはずです。
そして、ハイハイをしたり、床をゴロゴロ転がって遊んだりしますよね。
もちろん落ちたり転んだり…。
そこで感じている感覚っていうのはある程度生涯残るのかもしれません。
そう考えると、合板の表面に突板を張ってある合板フローリングはやはりお勧めできないと思います。
やはり自然素材、無垢材がいいなと思います。
また、杉やパインといったある程度柔らかい木材なら、20mm程度以上は厚みがあると良いです。杉なんかとくにそう。杉は柔らかいため床材で使用すると長期を経て磨耗する可能性があります。ただこれは針葉樹用の仕上げのオイルフィニッシュで、導管に染み込みいくらか硬化させ、ある程度、耐磨耗性を期待できるものがありますし、メンテナンスにもよります。
もちろんどんな木材でも程度の差こそあれ磨耗はするでしょう。
とにかく、どんな材料でもしっかりとした厚みがあることに越したことはありません。
全身五感で床と密に接している赤ちゃんや子どもにとって、床は私たちが考えるよりも、もっと密接で大事なものだと思います。
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子育てと家づくり:その1「転んだ先の床」2007.06.14 Thursday
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※下記は某フリーペーパー2006年4月27日号に掲載した文章をこのサイト用に若干加筆修正したものです
子育てと家づくり:その1「転んだ先の床」
出し抜けですが、今回から計6回の予定で、家づくりについて連載することになりました。で、せっかくですからテーマは見てのとおり。
ところで、壁床天井…、内装(インテリア)で一番大切なのは何か。答えは「床」。床だけは何をさしおいても良いものを使いたいのではないでしょうか?
やはり主役は木。そして無垢が良いに決まっています。パイン、チーク、花梨、メープル、檜、杉、唐松、ナラ、桜、サワラ…。
さて、子どもは床をはいまわり、走りまわり、ジャンプし、転びます。
大人よりも密に床と接している。そして、目だけでなく、手も足も鼻も耳も、全身を使って世界を学び感性を育みます。
だから、目をつぶって触ったり、コンコンとたたいたりして、「木」とわかったほうがいい。
「物を知る」ということは存外そういうことだと思います。
もちろん健康面の配慮も抜かりなく(仕上げの塗料やワックスなど含め)、かつ素材の質感を活かした仕上げにすること。
いずれにせよ、床がぜいたくだと気持ちが良いものです。

(写真:北欧パイン、仕上げは自然塗料のリボス。ちなみに丸柱は子どもの良い遊具となりました…。)
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子育てと家づくりのはじめに2007.06.14 Thursday
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はじめまして。
主に家づくりの仕事をしています。
また、目下4歳の息子の子育て中です。
子育てについて考えると、家づくりについての大切な「気づき」が多いと思います。
それは住まいを子供中心に考えるという意味ではありません。
子供には質感豊な本物に触れさせたい。
体に安全な環境で育ってほしい。
水や風や土や火など、なるべく「自然」に触れさせたい。
そんなことを切に願っていると、
すると自然と、自分や自分の家族の幸せだけだけでなく、環境も含めた未来について真剣に考えるようになると思います。
建築の専門的な知識は職業柄もちろん大切で日々勉強ですが、もっと根源的で単純で大切なことを忘れないようにしたいと思っています。
去年、あるフリーペーパーで「子育てと家づくり」という全6回の連載をしていました。
文字量の制限もあり、書き足りないことも多くありました。ちょっと説明不足かなということも。
このブログで、そのときの文章を掲載しつつ、加筆もし、またその続きとして、日々の「気づき」を書いていこうと思いました。
私たちにとって、彼らとの時間はあっという間に過ぎていくのかもしれません。
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